活版印刷とオリジナルボックス

オリジナルボックスのこと
 
 
これまでにinstagramやtwitterのDMなどで箱の作り方について質問をいただくことが多々あって、もしやみなさん箱に興味あるのかな…とSNSにて作業工程を載せたところ、たくさんの方から反応をいただけました
そこで今回はオリジナルボックスがどうやって生まれたのか、そしてどのように作っているのかということをザックリですが紹介していこうと思います
 
 
わたし自身、物心ついた時から紙モノ雑貨が大好きで、作品と一緒にお渡しするペーパーアイテムにはこだわりたいという気持ちがあります
 
紙モノの中でも昔ながらの活版印刷で刷られたものがすんごく好きでして
インクを付けた凸版に圧力を加えて印刷する際にできる特有のぽっこり感だったり、インクのにじみや掠れだったり…
 
そんなレトロな風合いがたまらなくイイなあと思って、活版印刷を使ったアイテムやボックスなどを作りたいと思うようになりました
 
 
 
 
活版印刷について
 
 
活版印刷とは、活字と呼ばれる文字の彫られたキューブを1つずつ組み合わせて文章にし、それを固定したもの(組版)にインクを付けて専用の機械でプレスして紙に転写する凸版印刷のひとつです
 
日本では1800年代後半から50年ほど、おもに新聞や書籍の印刷に用いられましたが、コピー機が登場するやいなやたちまち衰退していきました
それまでも何度か諸外国との交易によって日本にその技術を取り入れる機会があったそうなんですが、アルファベット26文字で済む英語圏と比べて、ひらがな・カタカナ・漢字を用いる日本では膨大に活字を用意しなければならないのと、それを丁寧にしまってある活字ケースから一個ずつ見つけて組むのも相当な労力がかかるため、もともと木版印刷がメインで活版印刷はなかなか普及しなかったそうです
 
 
とはいえ、独特な風合いの活版印刷に魅了される人は少なくなく、現在でも活版印刷でポストカードや名刺などの紙もの製品をつくられているお店はたくさんあります 
私がオススメするのは、まんまる○さん、ハグルマ印刷さん、尾道の活版カムパネルラさんなど
 
全国から活版好きが集まる「活版WEST」というイベントも年に一度、大阪で開催されているので気になる方はぜひ足を運んでみてください!
 
 
 
 
活版印刷に必要な知識
 
 
難しいうえに時間のかかる活版印刷
活版印刷機を購入しようと思うと新品だろうが中古だろうがめちゃめちゃ高い
コストをかけないとなると廃業した印刷会社から引き取るくらいしかありません。が、これもそうそう見つかりません
正直一個人が印刷機を入手するのは難しい…
 
 
どうやったら作れるの…と途方に暮れていたところ…
興味本位でたまたま買った本に載ってたんです!!
 
それがこちら
グラフィック社さんから発行されている
”印刷・加工DIYブック”
 

 
予算がない!こだわりたい!という手書きの文字が切実さを物語ってますね
わかる、それそれ…と手に取った瞬間買ってしまいました
 
 
この本は、シルクスクリーンやステンシルなどのハンドメイド好きさんにとってはメジャーなセルフ印刷をはじめ、紙の加工方法、製本方法など紙にまつわる加工がこれでもかというほどどっさり載っています
 
 
その一番はじめに紹介してあったのが、活版印刷でした
なんと、小型のプレス機なるものがこの世に存在していたのです…
 
 
最近では大人の科学さんの小さな活版印刷機という雑誌(もちろん入手済み)が大ヒットして活版印刷への関心が高まったり、印刷屋さんのワークショップに使われるようになってきた影響か、小型のプレス機を見かけることは増えたのですが
4年前ほど前かな?そのときはネットで検索しても商品が全く出てこなかったので、海外のネットショップで海外製のプレス機を購入しました。やった!!
 
 
 
 
活版印刷をしてみる
 
 
プレス機が入手できたら次は肝心の凸版なんですが、こちらも先ほど紹介した本に載っていた、真映社さんという大阪の印刷会社にお願いして作ってもらいました。インクやクッション紙もそちらで購入できます
 
 
道具が揃ったらいよいよ印刷!
 
ですが、いざやってみると、いらんところにインクが付くわ、インクのつけすぎで印刷面がベッタベタになり2~3日経っても乾かないわで大惨事でした…
試行錯誤を繰り返し、紙も何枚も無駄にし、何度も練習をかさね、ようやく世に出せるかな…というレベルまで到達。
 
 

 
 
とはいっても、未だにたった20枚刷るのに半日ほどかかったりしますし、中心がズレたりとまだまだビギナーですが、一つ一つ丁寧に刷っています
 
 
 
 
ボックスに仕上げる
 
 
印刷が終わったらいよいよボックスに仕上げていきます
まずはこちらをご覧ください
 
 


 
 
こんな感じで作ります。(ザックリ)
 
ボックスの型はオリジナルで、作ったブローチが入る大きさ・厚みにしています
糊付け部分となるクラフト紙の裁断も、最初は一つずつ下書きをしていたのですが、あまりに時間がかかりすぎるので今ではしるしを付けずに感覚で切っています
 
 
完成したボックスがこちら
 
 

 
 
 
 
あとは緩衝用の紙を入れて、ブローチを詰めたら、お客さまのもとにお届けとなります
ちなみにこのボックスは作品を永く大切に使ってほしいという思いから、保存用のケースとしてお渡ししています
 
(基本的に2500円以上の作品に付けさせてもらっています)
 
 

 
 
ボックスはサービスで作品の値段には含んではいないので、今後作らなければならない品数が増えたり、製作に充てられる時間が減ったりした場合、もしかするとぱったりと作るのを辞めてしまうかもしれません…
 
ですが、今のところは頑張って作るつもりでいるので、興味のある人はぜひ手に取って見てやっていただけると嬉しいです^^
 
 
そんなこんなで今回は作品ではなく、作品を入れるボックスの紹介でした!
これからもこだわりたいところは妥協せずにやっていきたいと思っています
 
 
つい語ってしまい、きもちわるい文面になってしまいましたが
最後まで読んでいただきありがとうございました
 
 
arisa.